事例内容

このケーススタディではFormula 1を基にしたマネジメントシミュレーションゲーム『F1 Manager』の開発において、Frontier社と協力した取り組みをご紹介します。2019年にライセンスを取得したFrontier社は、実際のレース体験を忠実に再現するゲームを目指し、サーキットや背景を生き生きと描くアートワークに重点を置きました。私たちは、Frontier社の限られた社内リソースと専門性を補完し、ゲームのアートディレクションと制作に大きく貢献しました。

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プロジェクトのミッション

本格的なF1体験を提供するレーシングトラックの開発

このプロジェクトの使命は明確でした、Formula 1の体験を忠実に再現した高品質なレーシングトラックを開発すること。 2020年に開発を開始し、2022年のリリースを目指す本プロジェクトでは、膨大なアセット制作に加え、それらを完全に機能するゲーム背景へ組み込むことが求められました。 私たちは、レーシングゲーム開発の経験が限られ、社内チームの規模も小さいフロンティア社が、そのビジョンを実現できるよう全力で支援しました。

課題

フロンティア社では、アートチームのリソース不足と短期間での増員という大きな課題を抱えていました。本プロジェクトでは、実在するレーシングトラックやその他のレース要素を忠実に再現するアート制作が求められ、高度な専門性と十分な制作体制が必要でした。さらに、開発は2020年に始まり、2022年のリリースを目指すという厳しいスケジュールの中で進行。最大限のアウトソーシングを可能にする生産体制の構築が不可欠であり、その課題を補うためにラクシャが参画しました。

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解決策

これらの課題に対応するため、当社は英国および米国スタジオから熟練したアーティストを編成し、さらにプロジェクト専任のアートディレクターを配置しました。アート制作プロセスにおいては、作業範囲の定義、リファレンス収集、仕様書作成、クライアントのゲームエンジンへの組み込みといった主要工程を一括して担いました。こうした取り組みによって、フロンティア様には必要な制作リソースに加え、3Dアセット制作にとどまらない高度なゲーム開発ノウハウをお届けしました。

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弊社の解決策

私たちのチームは、プロジェクトの特性に合わせたオーダーメイドのソリューションを一貫して提供しています。各トラックに必要なアセットを明確にし、詳細な参考資料を収集・整理した上で、インドスタジオのアーティストがスムーズに制作できるよう正確な技術指示書を作成しました。また、アセットの組み込みや各段階での丁寧なチェックを行い、常に高品質を維持しています。このような体系的なプロセスにより、単なるアセット制作にとどまらず、プロジェクト全体に大きな付加価値をもたらしています。

プロセス

弊社のプロセス

本プロジェクトでは、チームの立ち上げから始まり、最盛期には100名を超えるアーティストが参加するまでに成長しました、緻密に調整されたワークフローを構築しました。各トラックにおける仕様や予算の策定において重要な役割を果たし、テクスチャの効率的な運用を実現するため、モジュラーおよびマテリアルシステムの設計も行いました。プロジェクト全体で約9,000人日を投入し、建物、小道具、トラック装飾など、25のサーキットにわたる3,000点以上のアセットを制作しました。体系的なプロセスにより、すべてのアセットが最高水準を満たし、ゲーム背景にシームレスに組み込まれ、最終的な製品の成功に大きく貢献しました。

  • 01
    チームの増員

    プロジェクトの拡張性を確保するため、100人以上のアーティストが従事

  • 02
    予算定義

    プロジェクトトラックごとに仕様と予算を定義

  • 03
    モジュラーデザイン

    テクスチャー使用を最適化し、効率を高めるシステムを開発

  • 04
    人日の提供

    約9,000人日の専任作業の提供

  • 05
    アセット制作

    建物やプロップなど、3,000以上の多様なアセットを制作

  • 06
    サーキット開発

    合計25の異なるサーキットのアセットを制作